宋慶齢基金会日中共同プロジェクト委員会(JCC)


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河北省・吉林省教育支援現地視察
第7次訪中団
2004年6月27日~7月2日、河北省易県及び吉林省永吉県に赴き教育支援の現地視察を行い、北京で中国宋慶齢基金会と共同プロジェクトについて意見を交換した。 

※写真をクリックすると拡大して見ることができます。
2004年6月27日
久保田さんとエプシュタインさん エプシュタインさんと家
久保田さんと
エプシュタインさん
エプシュタインさんと家
連絡部の呉存瑜部長・劉頴さんとエプシュタイン顧問を訪問、近刊の回想録『見証中国』についてお話を伺った。

2004年6月28日
学校の様子 田穎さんと久保田さん
学校の様子 田穎さんと
久保田さん
基金部鄧紅沁主任の案内で易県に向かった。最初に訪問した白馬郷の白馬中学は、老朽化した平屋校舎に生徒276名の、文字通り何もない中学だった。「県政府から出る教材費は、用紙とチョークを買うと終わりです。お見せできるような図書室はありません」と宋恵増校長が静かな笑顔で語った。6月に卒業したばかりの柳田奨学金受給生の田頴さんが駆けつけてくれた。
流井幼稚園 流井幼稚園 流井幼稚園
流井幼稚園 流井幼稚園 流井幼稚園
流井郷に入り、4年前の開園時、JCCが屋内外の遊具など25品目を寄贈した中心幼児園を訪ねた。昼食を終えて登園してきた子どもたちの汗でぬれた頭髪の下には大きな瞳が輝いていた。3歳~6歳の園児93名、園長の他保育員1名、教師3名。園費は月額30元(約450円)、入園率100%。古い事務所を改造した園舎、もっと整備したいと話していた。
流井中学校 流井中学校 流井中学校
流井中学校 流井中学校 流井中学校
流井中学は、9年制義務教育普及を担う郷の重点校である。生徒数640名(内女子210名)職員数44名。平屋の老朽校舎であるが、パソコンをぎっしり配置した意欲的な教室を見た。教室を改造した寄宿舎・食堂の脇にあった給水設備(水塔)が壊れて使えなくなっていた。新学年開始の9月までには新設しなければならないが資金がなくて困っていると聞いて、即刻支援を決めてしまった。
久保田さんと路朝陽 主良小学校 主良小学校
久保田さんと路朝陽 主良小学校 主良小学校
流井郷主良小学校は、生徒数179名(内女子103名)と学前班に職員8名の小規模校である。児童の学費は年額184元。JCC奨学金を受給している路朝陽君(9歳/3年生)に会った。校舎の老朽化が進み、3年生の教室は屋根が崩れかけて危険なので、民家を借りて授業をしていた。危険教室は現在修築中であるが、レンガの芯にする鉄骨の購入資金(5万元/70万円)がなくて作業はストップしているとのことである。
白馬中学校 主良小学校
白馬中学校 白馬中学校
最後に、再度白馬郷に戻り、中心東白馬完全小学校を訪問した。全校8クラスで児童数256名(内女子130名)、職員12名。古びた教室で壊れ方がまちまちの机と椅子からはみ出すように座っていた子どもたちの姿が忘れられない。北京で不要になった机と椅子をもらってきて不足を補っているが、まだ絶対数が足りない、ということだった。

2004年6月29日
午前中、宿泊先の易県招待所で、当地教育支援関係の打合せ会議を行った。参加者は、易県教育局副局長肖さんと担当の高さん、中国宋慶齢基金会の鄧紅沁さん、JCCの井岡さんと久保田。会議の要点は、第2期奨学金協定書(04-06/小学生300名、女子中学生50名)、柳田奨励金、机と椅子の不足、危険老朽校舎の改修など。4年前初めてこの地を訪れた時は、易県史に刻まれた日本軍侵略の傷跡の大きさに緊張したが、今回は心和むものを覚えた。
午後北京に戻り、日本大使館に中屋弘貴書記官を訪ね、「草の根無償」資金申請関係の相談にのって頂き、夕方、基金部の杜愛平さん同伴で吉林行きの夜行列車に乗った。

2004年6月30日
永吉七中 呂強の家
永吉七中 呂強の家
早朝、第7中学の于志剛校長と白光宇副校長が永吉経済開発区駅に出迎えて下さった。生徒数は約1300名で、半数が山村出身で寄宿舎生活をしている。寄宿生は、月額150元の食費・300元の寄宿料の内年額3000元を負担しなければならない。通学生の学費は年額1000元(約15,000円)この中学の卒業生の80%は、県の重点高級中学(高校)に進学し、25%は重点大學に進学する。
JCCは、前校長から農村中学の苦境を訴えられて、2002年度から第7中学の生徒50名に1人年額3000円の奨学金を給付している。今回は、寄宿舎生活をしている5名の受給生と会い、話を聴き、2名の女生徒の家庭を訪問した。がたがた道を小1時間車で走って辿り着いたRUさんの家には学校に行けない妹が居た。2人を学校に行かせるのは無理だという。家族の年収は3000元だった。

2004年7月1日
叱利群さん
叱利群さん
長春空港から北京に戻る。叱利群新副主席に初対面。

2004年7月2日
午前、エプシュタイン顧問を再訪問。
午後、日中共同会議:主要テーマは、「寧夏教育支援の継続、特に女教師研修の共同開催について」。参加者:李寧秘書長・李希奎基金部部長・劉頴さん、井岡さん・久保田。
夜、兪貴麟副主席をお見舞いした。
エプシュタインさん エプシュタインさんと 李寧さんと李さん 李寧さんと 兪さんと
エプシュタインさん エプシュタインさんと 李寧さんと李さん 李寧さんと 兪さんと

2004年7月3日
黄華夫妻
黄華夫妻
午前、黄華前主席・何理良夫人を訪問。午後、帰国。
――文 久保田博子 、通訳・撮影 井岡今日子――

<2002年9月プロジェクト現地視察報告> 理事 川崎高志
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